食事量が増えていなくても太るという事実

たとえば、若いころからまったく同じような生活リズムで、食事量もとくに増えていないという人が、なぜかだんだん太ってくるということがあります。「珍しいことでも何でもなく、ごくごくありふれたことですから、きっとあなたの周りにもいるのではないかと思います。

もしかしたら、あなた自身がそうかもしれません。こうした例の多くは、加齢による代謝の減少が原因です。

先ほど申し上げたように、代謝が落ちるということは、使用するエネルギー量が減ることを意味します。こうして代謝が減るのに比例して、脂肪が蓄えられる、すなわち徐々に体脂肪が増えてくるということになるのです。これは、誰にでも起こりえることです。

同じ摂取量で、同じ生活リズムなら、必ずといってもさしつかえないと思います。何もしなければ、誰でも代謝は落ちていきます。そして40歳を過ぎたあたりから、目立って落ちていきます。「なるほど、だから運動をしないといけないんだな」と思ったあなた。そう早合点しないでください。

もちろん運動は大切であり、私は運動の専門家ですから、その説明もさせていただくわけですが、その前提として知っておいていただかなければならないことがいくつもあります。

早合点は誤解のもと。基礎知識をないがしろにすると、結局、運動が続かなかった、効果がなかったということになりかねません。そして、「○○だけ食べれば痩せる」といったことに惹かれたりすることにもなります。

ですがそんな甘い話がないことは分かるはず。結局体重はそのままにお金だけを失うことになるでしょう。

やはり痩せるためには運動が一番の近道です。特に有酸素運動です。少し辛い運動を長く続けることが、脂肪を燃焼する近道なのです。運動で痩せるのはめんどくさい。でも確実に痩せる方法だということをわかって下さい。

誰でも代謝の高い体になれる!

「筋肉を減らしたらどうなるか」という特種な実験を紹介しましたが、今度はノーマルに筋肉を増やしたときの話です。

まず、アメリカの研究グループが、実際に実験としておこなった例からです。

20歳代後半の学生から30歳くらいの一般の人に、提示したメニューにしたがって三か月間の筋肉トレーニングをしてもらいました。筋肉を増やすには、やはり三か月程度は必要になるのですが、三か月間、筋トレをやってもらった結果、例外なく、安静時代謝量が増えました。平均すると七・五パーセント、少ない人でも三パーセント代謝量が増えたのです。これはかなりの量です。

安静時代謝が7.5パーセント増えるということは、とくに運動をしなくても、一日あたり100キロカロリーから150キロカロリー代謝量が増えるということです。早足のウォーキングを約45分間するのと、同等のエネルギー消費量です。

言い換えれば、毎日欠かさずウォーキングを45分間するのと、三か月間、筋トレをしてとくに運動をしない状態では、一日の代謝量は同じということです。では筋トレをやった人が、さらに45分間のウォーキングもすると、どうなるでしょうか。三か月の筋トレによって、安静時代謝が上がった体でウォーキングをすれば、かなり
の効果が見込めるということは想像に難くないでしょう。

無理なく三日に一度、45分間のウォーキングを一年間続けたとすると、理論上はなんと体脂肪を四キログラム落とすことができます。体重ではありません。体脂肪だけで4キログラム落とすことができるのです。筋トレで筋肉を増やしたあとは、三日に一度ウォーキングするだけで、こんな成果が出るのです。

筋トレをせず、三日に一度、45分間のウォーキングだと、その四分の一、つまり一キログラムしか体脂肪を減らすことができません。これだけ大きな違いが出るのは、安静時代謝の差なのです